10/5 土曜日
昼過ぎから病院でのんびり過ごす。
母お気に入りのパン屋のパンで作ったサンドイッチとトマトジュースを完食。
寿司は食べたいというので翌日の夕方に寿司屋の持ち帰りを予約。妹達もみんな来て、栗剥いたりしてくだらない話して、「また明日ね」と言って病院を出る。
10/6 日曜日
母と剥いた栗で栗おこわを作る。
妹が通院のため姪のプール教室の着換え付添にいっているとき、病院から着信。9時52分。
母の病状が変わっているので本人の希望によりモルヒネ静注を入れるとのことで、同意する。ここから会話が難しいかもしれません、今朝まではできてたんですが、ということ。
モルヒネ静注は家にいる時から提案されていたし、ぼんやりするってことかなあとあまり重くとらえず、お昼食べて栗おこわを少し持って病院へ。母は寝てたり苦しそうにしてたりで、思ったより悪そうだった。
途中、下着をおむつに変えられていて、家にいる間はこれが嫌でできなかったんだよなあと思う。
何度か「くるしい」と言うのでモルヒネの量を増やしてもらう。眠れているとき以外は苦しそうで、妹にお見舞いは一人のほうがよさそうだと連絡すると、妹が子供を義弟に任せて16時ごろ病院に来る。
これは寿司は食べられないなあといいながら予約しちゃってるので寿司屋へ。
その間、妹が母にガリガリ君かハーゲンダッツ食べるか聞いたら「……は、」と返事をしたということで、買ってきたハーゲンダッツを半カップ食べて「もうええ」と返事をしたそう。これが最後の食事になった。
看護師さんが循環障害が出てるというので「今日明日もあるということですか?」と聞くとその可能性も高くなっているとの返事。なんとなく覚悟をする。
18時ごろ、母が看護師さん「ああ、くるしい、これはもうどうにもならないんですかねえ?」と訴えると、しばらくして眠る薬を坐薬で入れるか尋ねられて、母がはっきり頷く。
では薬を入れますが、これから病状の進行に伴って目を覚まさないかもしれません、という前置きをされて、投薬。私と妹が手を握り、犬が足元に丸まって母が眠りにつくのを待つ。
眠ったのを確認して、「付添いされる方決まったら教えてくださいね」と言われたのでまだ全員で泊まり込む感じでもない?と思い、父を残して病院から車で5分の妹の家に泊まることに。妹宅についたところで父から着信。19時22分。看護師さんが様子を見に来たところ、呼吸が変わっているので家族を呼び戻したほうがいいと言われたとのこと。病院に戻る。喘鳴が出ていた。
呼吸が不規則で、この状態になってから数分後の人もいればもう少し長い人もいるけど1日はまずないということで、付添部屋の利用を依頼。
しばらく緊張して見守っていたけど、なんか不規則だった呼吸が安定してきてちょっとだれる。眠気がきたので別室で少し横になって病室に戻る。妹が入れ替わりで別室へ。
病室のソファで少し眠る。規則的な喘鳴があるので息があることを確認しながらうとうとする。
このとき父は「かまわん」と言って横にもならなかった。睡眠を疎かにするからますますボケるんじゃないかなあ。実際母が亡くなってから父の意味のわからん言動が酷くなった。
夜が明けて、6時ごろ犬を散歩に連れ出し、8時に病院の売店が開いたのでコーヒーを買うなどする。そうこうしているうちに妹が母の呼吸が弱まっていることに気付く。9時25分頃呼吸停止。ナースコールを押して、医師の死亡確認が35分。
月曜日の9時過ぎということで、たぶん病棟スタッフが勢ぞろいしていて、「普段はお体拭くんですが、今ならシャワーもできますよ」と行ってくれたので、お願いする。母は汗びっしょりかいてたもんな。
前母は暑いんだからエアコンは強めにと言っておいたのに目を離した隙に父が寒いって言ってエアコン切ったりしてたし。エアコンスイッチがないって言ってる父に場所を教えたのが失敗だった。自分が寒いのは我慢しろ、母に合わせろと言っておいたのに自分が寒いと思ったらもう他人に合わせるとか考えられないんだよな。
数日前に会員登録しておいた葬儀社に連絡。11時過ぎに病院に着く予定に。
風呂から戻ってすっきりして戻った母の死化粧をと言われ、お盆に転倒したときの顔のあざが消えてないのでコンシーラーを買いに行く。戻ったときには母の兄夫婦が病室に来ていた。
葬儀社からの迎え。VOXIなんだと思う。前日わたしの車で一緒に病院に戻っていた妹が母に付添ってくれて、わたしと父は自分の車で家に寄ってから葬儀社へ。そのまま打ち合わせをして、翌日通夜、翌々日葬儀に決まる。
母が亡くなってから父の暴走が始まり疲れるなどしたが、母の命の最後はこんなところか。
病院が犬可だったので、母の意識がなくなるときも旅立ちも犬と一緒に見送れて、母に一番なついていた犬がどうなるかと心配していたけど、犬が一番受け入れが早い気がする。
息がある間は母の足元で丸まったり手足を舐めたりしていたのに、亡くなってからは遺体を少し嗅いであまり近寄らなくなった。そして落ち込む感じもなく(お留守番はいやそうだけど)ごく普通に過ごしている。犬のためにリビングに置いておいた母の枕も別にいらない感じ。
人間はお骨に手を合わせていつまでもめそめそしてるけど、犬は命の宿命は淡々と受け入れているように思う。本来命ってそういうものなんだろうな。見習わないと。