UriJie

独身女の身辺

スパダリはケンジのほうだと思うんだ

きのうなに食べた?の話。

 

原作漫画のほうでたまに「シロさんのスパダリタイム終了」みたいな描写があるけど、あの二人はケンジのほうがスパダリだよね。

 

食べることが好きで嫌いなものがなくてなんでもおいしいって喜んで、一通りの家事はできて、だけど台所仕事を仕切りたいシロさんを尊重して主導権を渡し場を荒らさず、社会性が高く素直な性格でパートナー相手に好きって気持ち丸出しで、丈夫な体を持ち、少しの欲はあるがコンビニで買い食いする程度で、決して怒らず、いつも賑やかに笑っている。

 

途中からケンジ違いの宮沢大先生が出てきちゃったけども。料理する人にとっての理想像だ。ケンジはスパダリだよ……だいたい、ひとりでも家の中回せるのに家事に関して同居人と衝突しないのがすごい。他人との生活に向いている。

 

わたしは週末母に教わりながら料理をしたんだけど、油汚れでもないのに洗剤を使うなとか豆腐の水は捨てるなとか、炊飯器のスチームに使った水も捨てるなとか、まあ、めんどくさかった。専業主婦と同じ水準でできるかい。これが母が元気なときに台所にあまり立たなかった理由である。

 

母は自然派入ってるから洗剤嫌いなんだけど、洗剤で恒常的な殺菌くらいはしてないと家庭のキッチンなんか有象無象の雑菌ウイルスでいつ食中毒起こるかわかんなくない…?だからアムウェイの希釈前提の洗剤も嫌いだし。

わたしも母もケンジじゃないからこれっぽっちのことで衝突する。自分なりに家事を回せる人間が2人いるとこうなるのが普通だと思うよ、筧さん。

 

父なんか家事導線が繋がってなくて、自分のワイシャツのアイロンがけはしてもらってるんだけどアイロンかける部分しかできないっていうのはおいとくとして、「ワイシャツ集めて襟そで擦っといて」って声かけたら(声掛けが必要なんである)ワイシャツはどこにあるのかとわたしに聞いてくるんだぞ。父のワイシャツなんだから自分が脱いだものを置いてるところにあるんだよっていうのがいつまでたっても頭に入らないんだぞ。

 

1.時間をみてアイロンがけタスクをリマインド

2.襟袖をこすり洗いする

3.洗濯機にかける

4.アイロンがけをする

 

の2と4しかできないのが父だし、2の後に作業が終わったとわたしに声をかけることもしないことのほうが多い。洗濯機が止まっても自分では4を開始できない。洗濯機からシャツを取り出して籠に移してアイロンがけをしろと声をかける必要がある。マニュアル操作のロボット状態なんである。

あまり手を動かしてはいないけど、父というロボットを操作してるのはわたしなのだ。父はアイロンがけは自分でしているという認識でいるけど1-4までオートでできるのが「アイロンがけという家事ができる人」だよね。

 

父の担ってる家事はアイロンがけのほかはゴミ捨てと風呂掃除とリビング以外の掃除機かけで、全部マニュアル操作ですね…。掃除機かけだけはオートでできるか。会社の掃除機かけ毎日してるからな。

 

父は全く家事をする意志がないとかそういう人ではない。オペレーターが必要ではあるができることもいくつかある。

 

しかし台所関係があまりにもだめだ。レンジが使えない。冷蔵庫から作り置きを出して食べて余った作り置きを冷蔵庫に戻す、という動作もできない。なんでやねんと思うけど。地味に困るのがこれなんだよなー。

父の退職後は仕切りプレートに昼ごはん盛って冷蔵庫に入れておくつもりだけど、それをちゃんと食うか怪しい。年寄りなんだから買い食いしてほしくないんだけどな。

 

父に関してはケンジじゃないとかいうハイレベルなことは思わない。これはもう学校に家庭科がなかった時代の人だからだと思う。栄養の知識もないのでほっとくと炭水化物だけの食生活になるし。

 

わたしは母がうるさかったので家庭科の授業なんて「必須栄養素だのアミノ酸スコアだの、あたりまえのことばっかり言うな…」と聞き流していたけど、あれがないと一切そういう知識に触れないまま大人になる人が出るんだと父を見ると思う。義務教育の授業は偉大。

 

糖質制限とか嫌いだし(高たんぱく食ってのも栄養の偏りの一種でどっかの臓器に負担がかかってそう)あんまり気にしすぎなくていいと考えてるけど、それはある程度のあたりまえの知識があることが前提なんだよなー。

 

中学校の家庭科が男女必修になったのが1993年だとか。高校は1994年。そういえばらんま1/2で女子だけ授業でクッキー焼いてるの謎だったわ。その後昔は家庭科は女子だけだったらしい、ということ自体はどこかで知った。

 

中学校入学が1997年(たぶん)のわたしは家庭科の授業は男女共通で当たり前だと思ってきたけれど、1993年に中学校卒業してた人っていうと、1978年生まれか?今の40代半ばより上の世代には「家庭科は女子のもの」って認識があるかもしれないし、家庭科知識に馴染みがない男性がいるかもしれないんだな。そこまで歳変わらないのに、だとしたらけっこうな世代の断絶を感じる。教育ってインパクトあるな。

 

あれ、なに食べの2人、まさにその世代じゃん。あのての知識なんてその気になればいくらでもあとから学べることではあるけど、実際のとこ必修前夜に学校卒業してる男性の家庭科知識ってどんなもんなんでしょうね。

 

小学校の給食の時間に毎日校内放送で「エネルギーになるもの、ごはん、体を作るもの、豚と牛乳、身体の調子を整えるもの、きゅうりと人参……」みたいな話を聞いてた記憶もうっすらある。さすがに栄養素の存在も知らないままってことはないのかな。

しかし身体の調子を整えるってずいぶんざっくりした表現。